凡人CLUB

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東京で生きていくことが辛いと感じた日

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よく東京の人は冷たいとか東京は暮らしにくいとか耳にしますよね。

私はあまりそんなことは感じたことはなく、確かに家賃が高いなどは思いますがそれに見合う利便性もあるので問題ではないと思っていました。

ですが。

この時だけは違ったのです。

あぁ、東京は冷たいな。と心の底から思ってしまったのです。

とてつもなく絶望して今でも思い出しただけでトラウマになってしまう出来事なのですが、もしも私と同じ目にあった人が先に知っておくことで少しでも耐性ができればと思い震える手をなんとかおさえながら記事を書くことにしました。

 

 

episode1 平穏

オフィスビルの間から冷たい風が吹き抜け、キャッチのお姉さんもポケットに手をつっこみながら勧誘していた夜のこと。

私は久しぶりに知り合いと楽しい時間を過ごしていました。

にぎやかな居酒屋で美味しいものを食べながら酒を飲みかわし、たわいもない話を続けているとあっという間に閉店の時間がやってきます。

当時知り合いは都心のど真ん中にマンションを借りて住んでいたのですが、私はそこから1時間かけて電車で帰らければならないところに住んでいたので閉店の時点で最終電車に間に合うかどうかの時間でした。

ただ、知り合いも私も仕事が忙しいこともあって夜通し一緒に飲めることは滅多にないので、このまま飲み明かして漫画喫茶にでもいって始発まで待てばいいかなと思い2件目へ移動。

 

さすがに2件目を出るころには近いとはいえ知り合いも電車がなくなり私も始発まで暇だったことから、送りがてら知り合いのマンションまで飲み歩きをしようということになったのです。

知り合いのマンションまでは地下鉄の駅2つ分。

といっても都心の駅の間隔は短いので歩いても30分程度で着いてしまいます。

コンビニで氷結を買って人影のなくなった夜中の東京を語りながら歩いていくと段々オフィス街に入っていき、ネオンもない真っ暗なビル街へと景色が変わっていきました。

 

episode2 雷鳴

人影どころか車さえもいない夜中のビル街で、その瞬間は突然やってきたのです。

知り合いが何か私に語りかけていますが耳に入ってこず、とりあえず大丈夫、大丈夫とひたすら連呼してごまかします。

冷たい風が吹く夜中にもかかわらず、背中から一滴の汗が流れ落ちました。

 

平常心を装いながらも頭の中では現状の地理把握と解決策を練るために凄まじいスピードで思考回路を覚醒させます。

知り合いのマンションまでまだ半分も歩いていません。

最悪のリスクを避けようとする私をあざわらうかのように事態はどんどんと悪化していき、もはや猶予はありません。

私はとっさに知り合いにいいました。

 

「ごめん、ちょっと仕事のことを思い出して電話したいから先にいってて。すぐに後から追いつくから。」

 

episode3 旋律

知り合いは不思議がりながらもうなずき、氷結を飲みながら歩いていきました。

助かった。

これで一つ目のリスクを回避しました。

ここからは全力で問題解決していくのみです。

どんどんと勢いを増してお腹がくだるのを我慢しながら、必死にトイレを探します。

何度もいいますが、もう一刻を争うところまできています。

四の五の言っている状況ではないのです。

どんな手を使ってでも暴走だけは避けないと私の人生にかかわってきます。

 

汗だくで必死にトイレを探すと、遠くにコンビニの明かりが見えました!

助かった…。

急いでコンビニにむかい、凄まじい形相で店員さんにつげます。

 

「ト、トイレを!トイレをかしてください!」

 

「すみませんー、防犯上のためトイレをお貸ししていないんですー。」

なんて余裕ぶった言動なんだ!

こっちはもはや油断も出来ない状況だっていうのに!

ただここでなんでどうしてともめている時間もありません。

私の今すべきことは真っ先にトイレを探し、問題解決することだけです。

こうなったら知らないマンションに入り、エントランスにあるトイレを勝手に拝借するしかありません!

不法侵入だなんだと言われて捕まったとしても、暴走が止められるなら甘んじてうけましょう。

堂々とマンションの扉に手をかけ、真正面から入ろうにもなぜか開きません。

そう。

オートロックです。

無数に並んだビルすべてにオートロックがかけられて外部の侵入どころかトイレへの侵入も許しません。

まずい。本当にまずい。

私はたまたま通りかかったタクシーを飛び出して止めることにしました。

 

「頼む!近くのトイレまで!!!」

 

と、言おうとした私をタクシーは軽くかわし華麗な乗車拒否を見せてくれました。

 

 

終わった…。

 

episode4 崩壊

残された道は最終選択のみ。

このまま最後の時を迎えるか、それとも自然に返すかの2つだけです。

色んなことが走馬灯のように頭をよぎります。

もしもここが田舎だったら野原もあってごまかせたのに。

もしもここが東京でなければ近所の優しい人が貸してくれたのに。

もしもここが…

 

自然と頬から一粒の涙がこぼれおちます。

東京で生きていくことがこんなにも辛かっただなんて…

 

私はこの日誓いました。

もう2度と東京で飲み歩きはしないと…

 

皆様、東京には深い闇がひそんでいます。

飲み歩きの際は十分お気をつけください。