クリスマスにコスプレを頼まれても平然とかわすための対処法
もしも私がクリスマスに一人でいることを見抜かれて、どうせやることがないなら手伝ってくれよ。といきなりバイトを頼まれたらどうなるか考えてみました。
クリスマスに最も競争が激化する商品のひとつがクリスマスケーキ。
そのクリスマスケーキを扱う店長さんに売り子として一日バイトを頼まれて、店頭でのケーキ販売をやらされたときに私はきっと平然とニコニコしながらケーキを売れるとは思えないので、事前にシュミレーションをしておこうと考えたのです。
お決まりのように店に着いてはじまるのが、
「この衣装に着替えてね♪」
というクリスマスにはこの恰好して販売するのが当たり前という固定概念。
最初から場に飲まれてしまうと冷静さを欠いてしまう恐れがあるので、ここは冷静に返します。
「店長、このサンタのコスプレをしてケーキを販売するなら一緒に売る飲み物はシャンパンではなくコカ・コーラなのではないでしょうか?」
目が点になる店長さんにかまわず持てる知識を総動員させて、なんとかサンタのコスプレを回避しようとします。
サンタクロースの赤いコスチュームはもともとコカ・コーラ社がイメージ販促のために採用したカラーで本当はもっと多彩なバリエーションがあるものなので、シャンパンを売るならシャンパン会社のイメージカラーで染め直しましょう。と。
手伝いで呼んだ手前、強引にパワハラをするわけにもいかず普通の店長さんならこれで折れる予定なのですが、もしもさらに上手で新たなコスプレをもってきたときの対処法も考えておかなければいけません。
「わかったよ。サンタがいやならコッチでも大丈夫。はい、トナカイ♪」
ノープランでコスプレを拒絶しても大概は次の手が打たれるとは思っていないので、この角度で攻められると諦めざるを得ない状況になってしまいます。
しかし落ち着きましょう。
クリスマスに登場するキャラはサンタとトナカイの2つだけです。
なのでこれをかわせばクリスマスコスプレを回避できる可能性があります。
「店長、申し訳ないのですがその設定には無理があります。」
「大丈夫だよ。人間がトナカイのコスプレをしていても成りきれば問題ない♪」
「いえ、そこではなくてこの時期雄のトナカイにはツノがないんです。」
そう。これが切り札。
雄のトナカイは秋から冬にかけてツノが抜け落ち、クリスマスシーズンにツノがはえているのは不自然なのです。
性別を偽ってまでコスプレをさせる強制力はありませんので、これで完全に場を握った状態になれるはずです。
真摯に私の意見を受け止めてくれた店長さんはそれ以上無理を強要することはなくなり、結局私はツノのない状態で、赤いつけ鼻とトナカイの全身タイツでケーキを売ることになります。
忠実に再現されたコスプレに満足するも、またもや疑問が沸いてきます。
「店長、いつまでクリスマスにケーキを売るのでしょうか?」
「いつまでって、そりゃ完売するまででしょ。」
「お言葉ですが店長、クリスマスにケーキを売るのはケーキ会社が販促をして広めた風習です。」
「この辺で独自のブランド戦略としてラスクでも売り出してみてはいかがでしょうか?」
そして私の全ての要望が通ったとき、店頭ではケーキを一生懸命売っているバイトの隣で、トナカイの全身タイツに赤い鼻をつけてツノのないまぬけな格好でラスクを売る私がそこにいることになります。
当然のことながら世の中の定説をたった一人で変えることはできず、お客さんにもバイトにも相手にされない孤独なクリスマスバイトを過ごすことになるのです。
私はそんな環境で平然としてられるほど肝は座っていないので、もしもお手伝いを頼まれたらおとなしくサンタのコスチュームでケーキを素直に販売したほうがよさそうですね。
そもそもクリスマスにプレゼントを渡す由来は「愛を贈る」ところからきていると聞いたことがあります。
家でクリスマスを楽しみに待っている子供のためにケーキを奮発して買うお手伝いをしているんだ。という気持ちでいればサンタのコスプレなんて大した苦ではなくなるかもしれませんね。
皆様はもうクリスマスケーキは予約しましたか?
当日店頭で売っているものを買って帰るのであれば、頑張って売っている人もチラッと見てみてください。
もしもツノのないトナカイの格好をしてラスクを売っている人がいたとしたら、それは大人になりきれなかった私です。
そっとしておいてください。